南山大学考古・人類学セミナー「形ノ理:モノが語る物語」2021
主に考古学・人類学の若手研究者をお呼びして,2時間程度のセミナーを行ってもらう企画です.年3〜4回の
開催を予定しております.
2021年度も考古学若手研究会2020と共催の研究会は継続します.
開催を予定しております.
2021年度も考古学若手研究会2020と共催の研究会は継続します.
2021年度第一回セミナーのお知らせ
以下内容にて第一回セミナーを開催いたします.参加ご希望の方は中尾までご連絡ください.オンラインでの開催です.
日時:8/8(日)13:00〜15:30
発表者・タイトル・要旨
ジョセフ・ライアン(岡山大学)「古墳出現期武器の糸巻きに関する基礎的研究」
要旨:本発表では、古墳出現期の鉄製武器に施される糸巻きを対象に、新たな観点から日本列島における武器の生産と
流通について予察する。
ヤリは木製装具の形態的共通性から奈良盆地において一元的に生産・配布された可能性が高いと指摘されている。しかし、
その主要な属性である糸巻きは、素材、糸の幅/太さ、撚りの有無、撚りの回転方向など多様な検討課題があるにも
かかわらず、肉眼観察による詳細な検討が困難であるためか、ほとんど俎上に載せられてこなかった。
ヤリの重要な構成要素である糸の諸属性の一元性または多様性を分析することにより、地域性や製作集団の抽出、
ひいてはヤリの生産・流通体制の実態解明に迫り得る。そこで本発表では、デジタルマイクロスコープを用いて古墳
出現期のヤリを含む鉄製武器に施されている糸の様子を検討し、その生産・流通体制について予察する。
中川朋美(南山大学)「弥生時代における暴力と階層性」
要旨:本発表では、主に弥生時代中期の北部九州における受傷人骨とその埋葬方法を対象に、暴力と階層性の関係に
ついて示す。先行研究では、集団的な暴力の生成に階層化が関係していたことが指摘されている。つまり、集団的な
暴力が激化する中で台頭した人物が、社会的な高位につき、また、集団内で暴力に関するものや行為が重視された
可能性が指摘されている。しかし、こうした集団的な暴力や受傷事例を対象とした階層性の定量的な分析はほぼない。
そこで本発表では、集団的暴力が発生していたといわれる北部九州の各地域を対象に、非受傷事例と受傷事例の
埋葬方法を比較した。その結果、集団的暴力が頻発する地域よりも、その周縁にあたる地域で受傷人骨を比較的
手厚く埋葬することが分かった。このことから、暴力と階層化は間接的に関係すると考えられる。
スケジュール
13:00-13:05 挨拶
13:05-13:50 発表者1(質疑10分込み)
13:50-14:35 発表者2(質疑10分込み)
14:35-14:45 休憩
14:45-15:30 ディスカッション
以下内容にて第一回セミナーを開催いたします.参加ご希望の方は中尾までご連絡ください.オンラインでの開催です.
日時:8/8(日)13:00〜15:30
発表者・タイトル・要旨
ジョセフ・ライアン(岡山大学)「古墳出現期武器の糸巻きに関する基礎的研究」
要旨:本発表では、古墳出現期の鉄製武器に施される糸巻きを対象に、新たな観点から日本列島における武器の生産と
流通について予察する。
ヤリは木製装具の形態的共通性から奈良盆地において一元的に生産・配布された可能性が高いと指摘されている。しかし、
その主要な属性である糸巻きは、素材、糸の幅/太さ、撚りの有無、撚りの回転方向など多様な検討課題があるにも
かかわらず、肉眼観察による詳細な検討が困難であるためか、ほとんど俎上に載せられてこなかった。
ヤリの重要な構成要素である糸の諸属性の一元性または多様性を分析することにより、地域性や製作集団の抽出、
ひいてはヤリの生産・流通体制の実態解明に迫り得る。そこで本発表では、デジタルマイクロスコープを用いて古墳
出現期のヤリを含む鉄製武器に施されている糸の様子を検討し、その生産・流通体制について予察する。
中川朋美(南山大学)「弥生時代における暴力と階層性」
要旨:本発表では、主に弥生時代中期の北部九州における受傷人骨とその埋葬方法を対象に、暴力と階層性の関係に
ついて示す。先行研究では、集団的な暴力の生成に階層化が関係していたことが指摘されている。つまり、集団的な
暴力が激化する中で台頭した人物が、社会的な高位につき、また、集団内で暴力に関するものや行為が重視された
可能性が指摘されている。しかし、こうした集団的な暴力や受傷事例を対象とした階層性の定量的な分析はほぼない。
そこで本発表では、集団的暴力が発生していたといわれる北部九州の各地域を対象に、非受傷事例と受傷事例の
埋葬方法を比較した。その結果、集団的暴力が頻発する地域よりも、その周縁にあたる地域で受傷人骨を比較的
手厚く埋葬することが分かった。このことから、暴力と階層化は間接的に関係すると考えられる。
スケジュール
13:00-13:05 挨拶
13:05-13:50 発表者1(質疑10分込み)
13:50-14:35 発表者2(質疑10分込み)
14:35-14:45 休憩
14:45-15:30 ディスカッション
連絡先:
466-8673 名古屋市昭和区山里町18 南山大学人文学部人類文化学科 中尾央
hnakao@nanzan-u.ac.jp
*このセミナーシリーズは主に新学術領域研究(出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明,領域番号5101)の支援を受けています.
領域ウェブサイト:http://out-of-eurasia.jp
466-8673 名古屋市昭和区山里町18 南山大学人文学部人類文化学科 中尾央
hnakao@nanzan-u.ac.jp
*このセミナーシリーズは主に新学術領域研究(出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明,領域番号5101)の支援を受けています.
領域ウェブサイト:http://out-of-eurasia.jp